2007/8/22 (水)
相続対策の手順
資産家の方にとって、『相続対策の着手』にまだ早すぎるということはありません。これら対策の実施に当たっては着手が早ければ早いほどその効果も大きいということがわかっています。相続対策を着手するにあたっては、資産税の専門知識の豊富な税理士等のアドバイスを受けながら次のような手順を踏むようにしてください。
1. 現状把握のための財産調べ
登山家は山に登る前に、その山の標高や天候、いくつかの登山ルートとその難易度などを詳細に調査します。そして自身の経験や装備、体調に応じた登山ルートを選択し、登頂から下山に至るまでの行程表を作った上で実行に移します。
高い山に登るのに何の準備もせずにいきなり登り始める人はいないでしょう。ひとつ間違えれば命に関わることだけに周到な準備が要求されるのです。
相続対策も同じです。まずは、財産や収入状況など現状がどうなっているのかを調べることが第一です。
2. 概算の相続税を計算します。
上記1.で作成した財産目録をもとに、「今、仮に相続が発生したとしたら相続税はいくらになるか」を計算します。ここで計算された相続税を手持ちの現預金&生命保険金等の金融資産が上回っているかどうか確認しましょう。
3. 将来、これら財産をどのように子供達に承継するか検討します。
相続人が1人でないかぎり、遺産分割という法律行為は生じます。この遺産分割を相続人任せにすると親族間に争族問題が生じる危険性が出てきます。
資産家の皆さんはご自身の財産をどのように分け、承継させていくかについてご自身で意思決定しなければなりません。そうして決定された財産承継のプランを実行していく事こそが相続対策の根幹であるとも言えます。
4. 納税資金を効率的に相続人に蓄積する仕組みを作ります。
代表的な例としては次のような方法があります。
(1) 収益物件の所有者を相続人に移動する
(2) 生前(現金)贈与
(3) 生命保険の加入
5. 相続税の節税対策を検討します。
上記3.4.に抵触しない内容で相続税の節税プランを検討します。代表的な例には次のようなものがあります。
(1) 養子縁組
(2) 遊休地の有効利用(収益物件の建築)
(3) 配偶者贈与(2,000万円控除)
(4) 不動産管理会社or不動産所有会社の設立
6. 相続対策は継続チェックが必要
上記1.~5.の対策は「一度立てたら終わり」というわけではありません。以後蓄積される資産により財産自体が増加したり、年々不動産の評価が変動するかもしれません。相続税法の改正により税負担額に影響が出る可能性もあります。
以後は立てたプランを実行に移して行くとともに、専門家のアドバイスを受けながら、毎年その効果をチェックし、プランの修正が必要な場合は、適切な対応策を練ります。











北條勝紀