税理士_北條勝紀

相続対策の手順

 資産家の方にとって、『相続対策の着手』にまだ早すぎるということはありません。これら対策の実施に当たっては着手が早ければ早いほどその効果も大きいということがわかっています。相続対策を着手するにあたっては、資産税の専門知識の豊富な税理士等のアドバイスを受けながら次のような手順を踏むようにしてください。

1. 現状把握のための財産調べ
登山家は山に登る前に、その山の標高や天候、いくつかの登山ルートとその難易度などを詳細に調査します。そして自身の経験や装備、体調に応じた登山ルートを選択し、登頂から下山に至るまでの行程表を作った上で実行に移します。
高い山に登るのに何の準備もせずにいきなり登り始める人はいないでしょう。ひとつ間違えれば命に関わることだけに周到な準備が要求されるのです。
相続対策も同じです。まずは、財産や収入状況など現状がどうなっているのかを調べることが第一です。

2. 概算の相続税を計算します。
上記1.で作成した財産目録をもとに、「今、仮に相続が発生したとしたら相続税はいくらになるか」を計算します。ここで計算された相続税を手持ちの現預金&生命保険金等の金融資産が上回っているかどうか確認しましょう。

3. 将来、これら財産をどのように子供達に承継するか検討します。
相続人が1人でないかぎり、遺産分割という法律行為は生じます。この遺産分割を相続人任せにすると親族間に争族問題が生じる危険性が出てきます。
資産家の皆さんはご自身の財産をどのように分け、承継させていくかについてご自身で意思決定しなければなりません。そうして決定された財産承継のプランを実行していく事こそが相続対策の根幹であるとも言えます。

4. 納税資金を効率的に相続人に蓄積する仕組みを作ります。
代表的な例としては次のような方法があります。
(1) 収益物件の所有者を相続人に移動する
(2) 生前(現金)贈与
(3) 生命保険の加入

5. 相続税の節税対策を検討します。
上記3.4.に抵触しない内容で相続税の節税プランを検討します。代表的な例には次のようなものがあります。
(1) 養子縁組
(2) 遊休地の有効利用(収益物件の建築)
(3) 配偶者贈与(2,000万円控除)
(4) 不動産管理会社or不動産所有会社の設立

6. 相続対策は継続チェックが必要
上記1.~5.の対策は「一度立てたら終わり」というわけではありません。以後蓄積される資産により財産自体が増加したり、年々不動産の評価が変動するかもしれません。相続税法の改正により税負担額に影響が出る可能性もあります。
以後は立てたプランを実行に移して行くとともに、専門家のアドバイスを受けながら、毎年その効果をチェックし、プランの修正が必要な場合は、適切な対応策を練ります。

税理士_北條勝紀

相続税の納税資金対策

以前、資産税コラム5でも述べましたように相続税の納税は原則として、現金により期限内納付となっております。金融資産を潤沢に保有しておられる資産家の方であれば、納税に困るようなことはないかも知れませんが、財産の多くを不動産が占めているような場合は、相続税額に比べ手持ち現金が少なく、納税に苦労される方もかなりおられます。
間違っても、「相続税納税資金捻出のために、自宅を売却する」なんていうことは避けなければなりません。相続税の納税資金確保のポイントは以下の通りです。

1. 生前贈与対策
仮に被相続人が金融資産を潤沢に保有しておられる場合であっても、相続人が当該資産を取得して納税資金とする前に、いったん相続税が課税されてしまいますのでその活用度は非効率的となってしまいます。贈与税の負担を抑えた生前贈与を実施することにより、これら金融資産を相続人の固有の財産とした上で、効率良く相続税の納税資金に充当することが可能となります。
贈与税一覧

2. 生命保険の活用
(1) 生命保険金の非課税金額
相続人が相続によって生命保険金を取得した場合には、一定の非課税枠があります。

 生命保険金の非課税金額 = 法定相続人の数(人) × 500万円

(2) 相続税の納税資金用の保険は終身保険が基本
人はいつの日か死(相続)を迎えます。これを逃れる方法はありませんし、またそれが何時なのかもわかりません。いつくるかわからない相続に備えるわけですから、一生涯、保障が続く終身保険を納税資金の準備に当てることが基本となります。

(3) 定期保険の活用
被相続人の年齢が若ければ、終身保険の保険料が比較的安くて済みますが、既に高齢となっておられる場合は、相続税負担額の全額を終身保険でまかなうことは難しいかもしれません。
このような場合、相続税自体の節税対策を実施したり、保有財産の活用により運用益を積み立てたりする必要が出てくるでしょう。これら対策には、相当期間を要することになりますので、この期間中に相続が発生するリスクに備えなくてはなりません。
この一定期間の保障に備える保険が定期保険です。終身保険と定期保険を組み合わせる事により、当面の相続税納税リスクのカバーを考えてみましょう。
生命保険活用による相続税負担リスクのカバー

税理士_北條勝紀

争族対策について

 資産税コラム5で述べました通り、相続対策で最も重要度が高いのが『争族対策』です。争族を防ぐ最も効果的な方法が『遺言』と言われています。遺言がなければ、遺産分割は相続人間の話し合いに委ねられてしまうため無用なトラブルを招きがちです。仮に相続人同士非常に仲が良い場合でも、公平に分割するための価値観までもが同じとは限りません。

また、価値観が近くても、全員にとって魅力的な財産が1つしかなければ全員が納得の分割は至難の技でしょう。つまり、各々の相続人にとって平等・公平で納得のいくような分割はまず不可能なのであって、大切なのは、親である被相続人の目からみて子供達にとって公平な財産分けを決め、それを子供等が納得するように日頃から、自身の思いを語り聞かせ、教育していくことにあります。

1. 遺言の種類
遺言とは、「自身の死に際し、自己の財産等をどのように処分するかを、自分で決めておくための最後の意思表示」と言えます。遺言には代表的なものとして次の3種があります。

  1. 自筆証書遺言・・・いつでも作成できる、証人も不要、簡易ですが紛失や改変の可能性があり、様式不備の場合などの場合は無効になる恐れも。
  2. 公正証書遺言・・・遺言にあたって2人以上の証人が必要、公証人に趣旨を口述して作成を依頼するなど費用がかかる上、秘密が守られないことがあります。
  3. 秘密証書遺言・・・遺言者が遺言書を作成、封入後、公証人役場で自己の遺言書である旨の証明をしてもらう方式。証人2名以上が必要で、要件不備の場合は無効になる可能性も。

 

公証人手数料一覧

手数料の計算は各相続人・受遺者ごとの財産の価額により、それぞれの手数料を算定し、その合計額がその証書の手数料の額となります。
例えば、総額1億円の財産を妻1人に相続させる場合の手数料は、3①の方式により、4万3000円ですが、妻に6000万円、長男に4000万円の財産を相続させる場合には、妻の手数料は4万3000円、長男の手数料は2万9000円となり、その合計額は7万2000円となります。次に総額9000万円の財産を、妻に6000万円、長男に3000万円相続させる場合には、妻の手数料4万3000円、長男の手数料2万3000円のほかに、1万1000円が加算されます。(日本公証人連合会HPより抜粋掲載)

2. 遺言書を作成する上での留意事項

  1. 財産承継に関する遺言だけでなく、「墓・仏壇の供養」や「母(父)の扶養や介護」についても遺言しておく
  2. 包括遺贈ではなく、すべての財産について特定して遺贈する(特定遺贈)
  3. 同族会社の支配権に影響する自社株は、相続後に利害が対立しないように配慮する
  4. 遺言執行者を定めておく
  5. 遺留分に配慮した遺言書にする
  6. 推定相続人に対しては「○○を相続させる」と記載する
  7. 遺言書の形式は安全な公正証書遺言が望ましい

 

税理士_北條勝紀

相続対策について

一般に相続対策には次の3種があると言われています。

1.争族対策

2.納税資金対策

3.相続税節税対策

1. 相続対策の取り組み方?
 本来、相続発生までの時間的な余裕度によっても対策のチョイスは異なってくるのですが、相続対策に着手する場合の優先度は通常は次のようになります。pic-09.jpg


 2.争族対策
 「身内での遺産争いで、相続以降兄弟関係が絶縁状態になった」などという話は、決して珍しいことではありません。

 特に沢山の財産をお持ちの資産家のご家庭にとっては、その数ある財産を皆が納得する形で平等に分けるなどということは至難の業と言えます。
 人それぞれ価値観が異なりますし、「譲り受けたい」と望む財産がひとつの財産に集中することもよくあることです。そのことを踏まえて考えると「うちの子供たちは皆仲が良いから、財産分けについても長男を中心に公平で円満な話し合いができるに違いない」というのは、あまりにも楽観的な親の欲目と言えるでしょう。

 
 財産は一族が繁栄していくために経済的な下支えとなるものですが、それがもとで一族が絶縁状態となってしまったのでは元も子もありません。
 身内間での争いを防ぐ対策は何よりも優先すべき事柄です。

 
 
 3.納税資金対策

 相続税は、原則として期限内に金銭一括納税することが要請されています(例外として延納や物納があります)。
 財産を守るために、できるだけ納税を安く抑えたいというのは人情ですが、生命保険を準備しておくなど相続税の納税に十分な現金が確保できていれば、自宅やその他の不動産など先祖代々の大切な財産を守ることができます。

 
 要は納税の為の資金を確保できれば良いわけです。笑えない話ですが、「バブルの頃の相続税対策で現金を評価の下がる投資用不動産に変えてしまった為に、いざ相続発生時には、納税用の資金が枯渇して自宅を処分するはめになった」という人もおられます。
 4.相続税節税対策

 
 相続税対策(相続税を減少させる対策)を謳った節税対策の解説本を書店で見かけることがございます。
 しかし、相続対策が節税重視型に偏重すると税制改正リスク(改正により節税効果がなくなってしまうリスク)が高くなってしまいます。

 
 当然ながら相続税は、相続発生時の税法が適用されますから、現在有効で効果のある節税対策も相続時点でそのまま有効かどうかはわかりません。
 また、同族会社などを巧に利用した裏技的な相続対策には国税当局も「同族会社の行為計算否認規定」という伝家の宝刀を持ち出すこともないとは言えません。

 
 やはり、「『争族対策』、『納税資金対策』をメインに実行し、それが結果として相続税節税対策にもつながっている」というような取り組み方が相続対策の王道と言えるでしょう。

税理士_北條勝紀

同族会社への貸付金が残っている場合

同族会社の社長さんが、自社の資金繰りのために資金を融通していることって結構よくある話だと思います。

自分が経営している会社だから、とくに急いで返済を受けるつもりもなく、いずれ資金に余裕ができたときにまとめて返済してもらえば良いだろうとお考えの方も多いのでは?

経営自体が順調で近い将来確実に返済見込がある場合ならともかく、事業が不調で資金繰りが厳しく返済見込がたたない状態であるなら要注意です。
1. 同族会社への貸付金にも相続税は課税される
社長個人が自身の経営する同族会社に貸し付けているお金(未収入金も同様)は、個人の財産課税上は立派な財産とみられます。

もし、社長に相続が発生した場合ですと、この同族会社への貸付金は相続財産として相続税の課税対象とされてしまうのです。返済を受けれる見込があるのであれば、それを相続税納税資金とすれば良いのかも知れませんが、返済のめどが立たない場合は悲惨です。

相続人は、現金化の見込が立たない不良債権を相続税を負担した上で承継する必要がでてきます。

2. DES(デッド・エクイティ・スワップ)を活用

企業の財政状態を改善し、また前述のようなオーナー経営者一族の相続課税上の不利益を防止する方法としてDES(デッド・エクイティ・スワップ)という手法があります。

DESとは企業再生の手段の一つで、下図のように貸付金という金銭債権を債権者(社長)が現物出資し、自社株(資本)に変えることで借入金を減少させ資本を充実させます。

 

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 1)DES後、社長の保有財産は額面評価されていた「貸付金」から、割当を受け取得した「自社株式」に変わることになります。経営成績&財政状態が思わしくない会社であれば自社株の評価額は低く評価されますので、結果的に、社長個人の財産減らしにつながります。

2)DESの実施により株主間の財産変動が生じた場合、贈与課税の問題が生じる場合があります。贈与課税の問題をクリアするためには、DESによる株式の発行価額を時価(※)とする必要があります。

  • (※)支配的株主にとっての増資や譲渡に当たっての株式の評価は相続税評価を基本に下の3つの調整を加味した評価を行うことになります。
    ・中心的な同族株主に該当する場合、会社規模は小会社(Lの割合0.5)として評価する
    ・純資産価額の計算上、会社所有の土地や上場株式は時価によって評価すること
    ・純資産価額の計算上、評価差額(清算を前提とした含み益)に対する法人税等相当額(42%)の控除は適用しない

3)平成18年度税制改正により、受入法人側でDESにより現物出資される債権(貸付金)の評価は時価により評価されることになりました。債務超過になっているなど貸付金の時価が券面額を明らかに下回っているような場合には、被現物出資会社において下のような債務免除益が計上されます。
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 (※)期限切れ欠損金の損金算入の対象に「DESに伴う債務免除益」が追加されました。

 

3. 税務上の繰越欠損金が残っているなら「債務免除」も検討してみる

税務上、繰越控除できる欠損金があるなら思い切って貸付金を債権放棄して、会社で債務免除益を計上するのもひとつの方法です。DESに比べると手数やコストが軽くて済みます。

 

 

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住宅取得資金の贈与はどうかわったか?

これまで住宅取得金贈与の特例には

(1)相続時精算課税の特例
(2)暦年贈与課税方式により5分5乗方式の特例」

の2つがありました。

3,500万円までが非課税とされる
(1)の「住宅取得資金に係る相続時精算課税の特例」は適用期限が平成19年12月31日まで2年間延長されましたが、贈与額550万円までの贈与が非課税とされる

(2)の「5分5乗方式」による特例は平成17年12月31日をもちまして廃止されてしまいました。
1.「住宅所得資金に係る相続時精算課税の特例」の概要

課税の考え方は、【資産税コラム2】(相続時精算課税制度は使えるか?)と同じですが、新制度について、自己の居住の用に供する一定の家屋を取得するための資金又は自己の居住の用に供する家屋の一定の増改築のための資金の贈与を受けるに限り、65歳未満の親からの贈与についても適用が認められています。また2,500万円の特別控除額に1,000万円を上乗せし、特別控除額は3,500万円とされています。

1)一定の家屋の要件

(ア) 家屋の床面積が50㎡以上

(イ) 新築または建築後経過年数が20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)
但し、平成17年4月1日以降に取得する中古住宅のうち一定の耐震基準を満たすもの
については、経過年数の制限無し

(ウ)床面積の1/2以上がもっぱら居住の用に供されていること
2)一定の増改築の要件

その者が所有し、居住の用に供している家屋について日本国内において行われる増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替えその他の工事のうち一定のもので次の要件を満たすもの

(ア)金額要件・・・増改築等の工事費用が100万円以上であること(なお居住用部分の工事費が全体の工事費の1/2でなければなりません)

(イ)床面積の基準・・・増改築後の家屋の床面積が50㎡以上であること

(ウ)増改築後の家屋の床面積の1/2以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
     
3)適用期間

平成18年1月1日から平成19年12月31日までの間に贈与により取得した住宅取得等資金について適用されます
2.この特例による贈与税額の計算

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税理士_北條勝紀

相続時精算課税は使えるか?

(1)相続時精算課税制度の概要

これは、65歳以上の親から20歳以上の子への贈与について、受贈者の選択により、一般の暦年単位による贈与税の課税方式(暦年課税)に代えて、適用を受けるものです。

贈与時には、特別控除額(累積で2,500万円)を超える部分について、一律20%の税率により贈与税の納付します。そして将来、贈与者の相続時には、その贈与財産の価額を相続税の課税価格に合計して、相続税額を計算し、既に納付した贈与税額を控除する仕組みです。

 

(2)適用対象者の要件

1)贈与者:贈与をする年の1月1日において65歳以上である親(特定贈与者)

2)受贈者:贈与者の推定相続人である直系卑属のうち、贈与を受ける年の1月1日において20歳以上である者(養子もOK、養子の数に制限なし)

 

(3)適用手続
1)その贈与税の申告書に「相続時精算課税選択届出書」を添付して、贈与税の申告期限内に納税地の所轄税務署長に提出します。
2)相続時精算課税選択届出書の添付書類
(ア)受贈者の氏名、生年月日、20歳以後の住所、特定贈与者の推定相続人に該当することを証する書類(戸籍謄本もしくは抄本又は戸籍附表の写し)

(イ)特定贈与者の氏名、生年月日、65歳以後の住所を証する書類(住民票の写し)

(ウ)相続時精算課税に係る財産を贈与した旨の確認書(税務署所定の書類あり)
(4)適用を受けた場合の留意点
(ア)相続時精算課税適用者となった場合、その特定贈与者からの贈与については、制度適用年分以降すべて精算課税制度が適用されます。(暦年課税での年110万円の非課税枠の適用なし)

(イ)相続時精算課税適用者が養子縁組解消などにより推定相続人でなくなった場合でも、その後の特定贈与者からの贈与について精算課税制度が適用されます。

(ウ)相続時精算課税適用者が特定贈与者に係る相続を放棄した場合でも、その特定贈与者からの贈与財産については、相続により取得したものとみなされます。

(エ)いったん相続時精算課税適用者になると撤回できません。

 

(5)その他

(ア)贈与者(65歳以上)の子が以前に亡くなっている場合のその子(贈与者からみれば孫)は代襲相続人(推定相続人である直系卑属)として当該制度の適用対象とされます。ただし、代襲相続人についても年齢制限は受けますので、贈与年の1月1日において満20歳以上でなければ新制度の適用は受けられません。

(イ)満65以上の贈与者と20歳以上(贈与年の1月1日現在)の者(受贈者)とを養子縁組する場合、養子縁組後に贈与した場合には、その養子の選択により新制度の適用があります。

(ウ)父母両方から贈与を受けた場合
親である父母ともに65歳以上であり、子が20歳以上であれば父と母からのそれぞれの贈与について新制度の適用を選択することができます。(つまり、2,500万円×2=5,000万円の特別控除額)また、新制度の適用選択は父母からの贈与について一方だけを選択し、もう一方を一般の贈与課税とすることも可能です。

(エ)親の年齢制限
住宅取得等資金について新制度を選択する場合には、受贈者である子は20歳以上である必要はありますが、親(贈与者)の年齢制限はなくなります。

このように65歳未満の親からの住宅取得等資金の贈与を受けて新制度の適用を受けた場合には、住宅取得等資金の贈与を受けた年を含め、その後のその親(特定贈与者)からの財産贈与については新制度の適用を受けることになります。

(つまり、住宅取得等資金の贈与をした親は、65歳以上の贈与者とみなして、その後の贈与について新制度が適用されます。)

 

(6)新制度の活用法

新制度は、貯蓄資産の流動化を目的に、高齢者の保有資産を次世代に円滑に移転させるという観点から創設された制度です。従って、その制度の趣旨には、相続税負担の軽減は含まれていません。

その意味で、相続税対策として新制度を活用することは、その制度の趣旨に馴染みませんが、次のようなケースはメリットがある場合もあります。
1)相続財産の総額が相続税の基礎控除額以下
2)自社株や将来有望な上場株のように相続時には評価が高騰しそうな財産に適用する
3)賃貸用物件などの収益物件(低評価&高収益が好都合)について新制度の適用を受ける

 

(7)この特例による贈与税額の計算

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(8)同一年中に一般の贈与がある場合の贈与税額の計算

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 1)新制度特例贈与分  2,000万円-2,000万円=0(課税価格なし)
 2)一般贈与分     (200万円-110万円)×10%=9万円  
 3)納付すべき贈与税  1) + 2) = 9万円
 

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生前贈与のすすめ

相続時精算課税が導入されて数年経ちましたが、相続税の節税につながらないこの制度は、資産家の皆様にとってこの制度はあまり意味を持ちません。相続税対策の上では、通常の暦年課税における贈与税課税を使った生前贈与の方にまだまだ利用価値が残っています。

(1)贈与税(暦年課税)の計算と申告
 贈与税は次の算式により計算しますが、大切なことは、納税の有無に関わらず贈与税申告書を必ず税務署に提出するということです。相続税の調査では、必ず家族名義預金の帰属が問題にされます。贈与の事実を認めてもらう最良の方法は、申告書を提出しその控えを保管しておくことです。

(その年分の贈与税の課税価額 - 110万円)× 税率(注)- 控除額(注) = 贈与税額

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(2)贈与税額の早見表

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(3)生前贈与の効果一覧表(生前贈与10年分の移転財産額と税負担額の一覧)

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最近の資産税業務の傾向

今から15年以上前、バブル華やかりし時代は、資産税といえば「お金儲けの後始末」という感じでした。

皆が一様に、不動産株式投資に熱中し、キャピタルゲインに対して課される税金を何とか安くできないか?(節税できないか?)と相談に来られました。

また、連年の土地の路線価格上昇から将来の相続税負担を軽減するため、ウルトラC的(脱法行為スレスレ)な相続対策を数百万単位のコンサルティング費用を払って資産税専門の税理士に依頼したりしていました。(わたしのキャリアの最初はこの頃なわけですが・・・)

借金して土地を買えば、活用せずに放っておいても2倍3倍に跳ね上がる。

今思えば、やはり異常な時代だったように思います。土地神話が崩れて久しい現在、有効度高く活用されている資産の価値は高く、そうでない資産の価値はジリ貧となっています。

ときどきバブルの頃を懐かしく思い出すこともありますが、やはり「今の方がまともな社会なのだ」と実感しています。

そんな現在ですから、資産税も様変わりしてきました。

キャピタルゲインなどの儲けや資産の含み益に対して将来課税される資産税対策から、苦労して稼いで築いてきた財産の価値を目減りさせることなく守り、また将来の相続税課税を乗り越えて後継者に譲るための対策です。
相続税対策を例にとれば、その中心は節税対策から納税対策争族対策に移り変わってきたようです。

税理士_北條勝紀

資産税専門の税理士ってどんな人?

資産税専門と言っても、当然、相続税贈与税についての仕事しか扱ってないわけではありません。

普通に会社の決算申告や個人の確定申告もこなします。ただ、普通の税理士よりも資産税に関する仕事をこれまでに数多く経験しております。
毎年2月半ばにになりますと、CMや新聞などのマスメディアでも活発に取上げられますが確定申告という決算の申告が毎年やってきます。

個人(個人事業主含む)の場合は確定申告でこの時期になります。

会社(法人)では決算となりますので、時期は法人の設立時に決めるので、一概にこの時期ではありませんが、決算申告は年に一度は必ず行わなければなりません。

しかしながら、不動産の譲渡相続は毎年発生する事案ではございません。それらの事案が起きたときのみしなければならない申告となります。場合によっては、生涯で一度も経験されない方もいらっしゃることでしょう。

ですから、普通の税理士は、所得税法人税の申告には慣れていても、めったに依頼のこない資産税の仕事には不慣れである場合が多いのです。

実際多くの税理士には、相続税申告の依頼は年に一回あるかどうかです。また税理士の中には、「相続税申告はよくわからないので受けたくない」とおっしゃる方もおられます。
このように資産税の仕事は、特殊な分野の仕事に位置づけられますので、依頼する税理士資産税に精通している税理士かそうでないかで、結果(納税額や税務調査対応)に大きな差が生じてしまう例も珍しくありません。

私は、資産税に特化した関西でも有数な会計事務所資産税担当者として10年以上勤めてきたという経歴があり、今まで相当件数の相続税申告税務調査の立会いを経験してきました。

 

税理士_北條勝紀

資産税って何?

資産税というのは、「土地や株式を売ったときの譲渡税や相続税、贈与税」のことを総称した呼称したものです。

では、税理士ってどんなことをしてくれるのでしょうか?
税理士の主な仕事は、個人(個人事業主を含む)や会社(法人)が、税の申告納税をしないといけないときに、税金の専門的な知識が必要となるために、その税金計算や申告(決算)のお手伝いをします。

さらには将来、税務調査があった場合に、納税者(依頼人である、個人や法人など)の代理人として調査に立会って税務署に応対したりすることです。
ただ税金申告するために、顧問先の事業経営に深く関わらなければなりません。

その為に税金の相談以外にも、

  • 経営計画の立案
  • 資金繰り資金調達の相談(融資についての相談)」
  • 労務問題
  • リスクマネジメント
  • 事業承継
  • 不動産投資や財テクなどの資産活用
  • 「相続税対策遺言の作成

など様々な分野のご相談にも対応できないといけない職業でもあります。

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