税理士_北條勝紀

争族対策について

 資産税コラム5で述べました通り、相続対策で最も重要度が高いのが『争族対策』です。争族を防ぐ最も効果的な方法が『遺言』と言われています。遺言がなければ、遺産分割は相続人間の話し合いに委ねられてしまうため無用なトラブルを招きがちです。仮に相続人同士非常に仲が良い場合でも、公平に分割するための価値観までもが同じとは限りません。

また、価値観が近くても、全員にとって魅力的な財産が1つしかなければ全員が納得の分割は至難の技でしょう。つまり、各々の相続人にとって平等・公平で納得のいくような分割はまず不可能なのであって、大切なのは、親である被相続人の目からみて子供達にとって公平な財産分けを決め、それを子供等が納得するように日頃から、自身の思いを語り聞かせ、教育していくことにあります。

1. 遺言の種類
遺言とは、「自身の死に際し、自己の財産等をどのように処分するかを、自分で決めておくための最後の意思表示」と言えます。遺言には代表的なものとして次の3種があります。

  1. 自筆証書遺言・・・いつでも作成できる、証人も不要、簡易ですが紛失や改変の可能性があり、様式不備の場合などの場合は無効になる恐れも。
  2. 公正証書遺言・・・遺言にあたって2人以上の証人が必要、公証人に趣旨を口述して作成を依頼するなど費用がかかる上、秘密が守られないことがあります。
  3. 秘密証書遺言・・・遺言者が遺言書を作成、封入後、公証人役場で自己の遺言書である旨の証明をしてもらう方式。証人2名以上が必要で、要件不備の場合は無効になる可能性も。

 

公証人手数料一覧

手数料の計算は各相続人・受遺者ごとの財産の価額により、それぞれの手数料を算定し、その合計額がその証書の手数料の額となります。
例えば、総額1億円の財産を妻1人に相続させる場合の手数料は、3①の方式により、4万3000円ですが、妻に6000万円、長男に4000万円の財産を相続させる場合には、妻の手数料は4万3000円、長男の手数料は2万9000円となり、その合計額は7万2000円となります。次に総額9000万円の財産を、妻に6000万円、長男に3000万円相続させる場合には、妻の手数料4万3000円、長男の手数料2万3000円のほかに、1万1000円が加算されます。(日本公証人連合会HPより抜粋掲載)

2. 遺言書を作成する上での留意事項

  1. 財産承継に関する遺言だけでなく、「墓・仏壇の供養」や「母(父)の扶養や介護」についても遺言しておく
  2. 包括遺贈ではなく、すべての財産について特定して遺贈する(特定遺贈)
  3. 同族会社の支配権に影響する自社株は、相続後に利害が対立しないように配慮する
  4. 遺言執行者を定めておく
  5. 遺留分に配慮した遺言書にする
  6. 推定相続人に対しては「○○を相続させる」と記載する
  7. 遺言書の形式は安全な公正証書遺言が望ましい

 

Comments are closed.